きれいにきれいに

2017年2月23日

先日休みの日にお参りに行ってきました。
休みの前夜、本屋さんに行ったのですが「神様の風が吹く・・・」みたいな内容の本を見つけました。「神社で拝んでいたら神様の風を感じる」とか「神様が通る」とか、そんな内容を書いていました。僕はそもそも神様を信じているので、なるほどなあと思いながら読んでいたのです。その時の自分は気持ち的にマイナスで(スランプ中です)、三日後は展示会があって、明日休日というタイミングでした。ふと、「あ~、呼ばれた」と思ったので、次の日お参りに行ってきました。
平日でしたがとても混雑していました。いつもお参りをすますと必ずそこの食堂で「いなり寿司」を食べることに決めています。その食堂はチケットを買ってから入るのです(入るまで中の混雑具合はわかりません)が、チケット売り場も大混雑していました。
混んでいるし、あきらめようかな」と思っていたら、前に並んでいた20人ぐらいのおばあさんチームが「こんな混んでいるとこやめて屋台行こうか~」と言い出して、さあ~っとチケット売り場の前が空いたのです。ウオ!これも神様のお告げだと確信し、僕はささっと前まで行って、いなり寿司のチケットを買いました。食堂の中に入るとやはり大混雑です。
六人掛けのテーブルの端っこが空いていたので、なんとか相席で座らせてもらいました。ちなみに、その食堂はガラガラのときでもなかなか注文したものが来ないので、どんだけ待たなあかんかなあと心配しながら座っていました。
ぼくがその席に座って20分ぐらいしたら、同席のおばあさんたちが食べ終わって退席しましたが、すぐに次の5人グループのおばあさん達が僕のテーブルに座りました。
僕は先にいなり寿司のチケットを店員さんに渡していますが、同席のおばあさんたちの中にもいなり寿司を注文した方がいました。そこで、やはり危惧していたことが起こりました。
店員さんが「いなり寿司~」と言って、おばあさんの前に置いてしまったのです。
「あんた早いな~、私もそれにしたらよかったわ~」と皆さん大盛り上がりです。僕はその時点ですでに
30分ぐらい待っていました。僕は「それ僕の」と思いながらも言い出せず、その間に「僕のいなり寿司」は、どんどんおばあさんのものになっていってます。おしゃべりでつばも飛びまくっています。すでにその6個(お盆に6個入っています)のいなり寿司達はおばあさんに食べられるつもりになってます。いまさら取り返しても、おばあさんからもらった感が満開です。それはそれで「おばあちゃんのいなり寿司!」としてうまいかもしれません。が、やはり違う!と気を取り直し、店員さんに「あの~、いなり寿司を先に注文したのは僕なので、次のやつは僕にお願いします、急いでいますので!」と言いました。こうなることは予想できたので言うのが嫌やったのですが、やはり予想どおり、「兄ちゃん、ごめん、これ渡すわ!これやな~」と、そのいなり寿司を指さしておばあさん5人がかりで言いだしました。大騒ぎです。おばあさんの前に置かれていたいなり寿司はもみくちゃになってきました。僕はテーブルの角に座っていましたが、いなり寿司を注文したおばあさんはその対角線の角にいたので、僕のほうにそれを渡そうと丸いお盆(いなり寿司のお皿)がぐるぐる、円盤のように各おばあさんたちの前を渡り歩いて循環しています。「中のいなり寿司たちはメリーゴーランド気分で楽しそう・・・」と僕は現実逃避気味です。しかし「もう、それ食べたくない・・・」。僕は我に返り、お先にどうぞと必至で僕の前にくる直前に静止しました。そしてそのお盆はもとのおばあさんのもとにぐるぐる戻っていきました。ホッとしたのはいいのですが、気持ちが落ち着いてきたら、なにぶん30分待った後なので、メラメラと食堂に対して「早よもってこんかい!どんだけ待たすねん!あほんだら~」という悪い心が出てきました。しかし「せっかくきれいな心でお参りに来たのに、ここで悪い心出てどうすんねん、清らかに、清らかに・・・」と思うように努めました。しかしさらに20分が経ち、そろそろ注文してから一時間です。「あかん、限界や、腹立つ。まわり全員腹立つ!」心はどんどん悪くなってきました。しかし「あかん、あかん、きれいに、きれいに」僕は戦っています。そんな僕の心はお構いなしにおばあさんたちは大盛り上がりでしゃべってはります。おばあさんたちは全然悪くありません。しかし、大はしゃぎ・・・その横でポツンとひとり、いなり寿司を待つ自分・・・なにしてんの?洋和君、他にすることないの?。もうあかん、腹立つ、全員腹立つ!いや、あかん、心きれいに、きれいに・・・いなり寿司が遅いぐらいでなに腹立ってんねんボケ!心きれいに、きれいに・・・
「う~」と唸りながら我慢してうつむいていたら、隣のおばあさんがお茶を入れてくれました。
おばあさんたちも僕に気を使ってくれていました。すいません、僕の汚い心・・・
お茶は店員さんのミスで葉っぱが入ってなくてお湯だったのですが、満面の笑顔でとなりのおばあさんにお礼を言いました。そのうえ、おばあさんが葉っぱ入ってへんでと店員に注意し、新しいお茶を入れてくれました。僕はいなり寿司が遅いぐらいで汚い心になっている自分が恥ずかしくなり、おばあさんたちと仲良くなろうと決意しました。そしておばあさんたちの注文品と同時に僕のいなり寿司もはこばれてきて、それからおばあさんと一緒に食べながら世間話して仲良くなってから帰りました。
ありがとうおばあさん達、心きれいに、きれいに。
しかし、よく考えたら一番悪いのは店員さんですな。