2025年10月8日
みなさま、こんにちは!
過ごしやすい気候になってきてほっとします。本当に暑い夏でした。
今月のきもの館での展示会は、いつもは桜の季節にお越し下さる假屋崎省吾先生の個展でございました。もう十年以上きもの館に桜を生けてくださっていましたが、今年は大きな馬酔木を生け込んでくださいました。
先生のお花と、先生の講演と、先生のプロデュースされた着物との「假屋崎省吾の世界」を堪能して頂けたことと思います。
假屋崎先生、毎年欠かさずきもの館にお越しいただき本当にありがとうございます。
さて、「展示会の着物」編でございます。
初日は私が提案していますカンボジアシルクの「綾遥架-あやはるか-」から、”タケオ夢綾織り”の絣織の着物に”クメール奇跡絣帯”の袋帯です。
カンボジアの伝統絹織物と出会い、西陣織と組み合わせた帯を制作し、その後、この素晴らしい伝統の絹絣織りで着物が作れないだろうかと現地の職人さんたちと挑戦したもののなかなか成功せず、まずはカンボジアの天然染料で染めた無地の着物を制作しご提案してきました。独特な色合いと光沢で、ご購入いただいたお客様からとてもご好評を得ております。
そんな中、昨年の12月に初めて織りあがった絣織の着物がこちらです。今回初めて仕立てて着てみました。なんだか涙が出てきて一人で泣いてしまいました。たくさんの方たちと出会って助けて頂いて、「綾遥架-あやはるか-」というブランドが出来上がったことに改めて感謝しています。これからも皆様に喜んで頂けるような商品を増やしていけますよう頑張ります。
実は私がタケオ夢綾織りの絣織りの着物を着る前に、初めて絣織りの着物をご購入いただいたお客様がパーティーでお召しになってくださいました。こちらはインディゴを染料に使い絣織を半分に施したタイプです。織り柄がレースのようでとても素敵でした。
世界初、カンボジアの伝統絹絣織りの着物の反物を仕立てて着用されたお客様です!嬉しいです。
今、少しづつ絣織の着物を制作してもらって、数点出来上がってきています。まだ織る人も織機も少ないのでなかなか出来上がってきませんがこれからも頑張って皆様にワクワクしていただけるような着物をカンボジアの人たちと作っていきたいと思います。
そして二着目は、その天然染めの無地の着物にクメール奇跡絣帯のコーディネートです。カンボジアの織り方である「三枚綾織り」から生まれる光沢が魅力です。染料も身近にある植物を使います。私の着ているのはプロフ―という木の皮から染める黄色と、ラックカイガラムシの巣をすりつぶして染めるラックという赤色から作られています。プロフーの黄色、ラックの赤、エボニーの黒、茶、インディゴの青、が基本的な色です。そこにココナツや笹の葉、ベニノキの実など身の回りにある植物を使って色々な色合いを作り出しています。
今回いけて頂いたお花の横で。ちょうど6日は十五夜でしたね。
ではここで、福田店長の部屋でございます。こちらの大島紬は吉田部長から譲り受けたものだそうです。着物は譲り継がれることでまた物語が生まれ、さらに素敵な一着になります。
こちらは洗える着物ですが、お客様が作られたこのエプロンは雨ゴートから作られているそうです。なるほど、雨ゴートのエプロンなんて理にかなってますね!すごいです!着物と色合いがあってます。
そしてスペシャルフォトは國方副社長です。袖なしのキラキラ羽織をお召しになっていて思わず激写です。墨染居のものだそうで、今のようなまだ暑さの残る時期にぴったりですね。
今回、假屋崎先生の講演会があったのですが、この6月に入社しました息子をお客様の前でご紹介してくださいました。本人は急に呼ばれて驚いていましたが、皆さまの前でご挨拶する機会を頂けてありがたかったです。記念写真も撮れて、重ね重ねありがとうございました。
先生の活けられたお花です。
きもの館では毎回趣向を変えて皆様に着物の世界を楽しんでいただいております。
是非これからもきもの館での催しを楽しみにしてくださいませ!